地鎮祭(じちんさい・とこしずめのまつり) |
地鎮祭とは |
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土木工事や建築などで工事を始める前に行う、その土地の神(氏神)を鎮め、土地を利用させてもらうことの許しを得る。
これには神式と仏式がある。
一般には、神を祀って工事の無事を祈る儀式と認識されており、安全祈願祭と呼ばれることもある。
鎮地祭、土祭り、地祭り、地祝いとも言う
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地鎮祭の流れ |
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地域によって若干の違いはあるが、概ね以下の次第によって進む。
@修祓(しゅばつ)
祭に先立ち、参列者・お供え物を祓い清める儀式。
A降神(こうしん)
祭壇に立てた神籬に、その土地の神・地域の氏神を迎える儀式。
神職が「オオ〜」と声を発して降臨を告げる。
B献饌(けんせん)
神に祭壇のお供え物を食べていただく儀式。
酒と水の蓋を取る。
C祝詞奏上(のりとそうじょう)
その土地に建物を建てることを神に告げ、以後の工事の安全を祈る旨の祝詞を奏上する。
D四方祓(しほうはらい)
土地の四隅をお祓いをし、清める。
E地鎮(じちん)
刈初(かりそめ)、穿初(うがちぞめ)、鍬入(くわいれ)等が行われる。
設計・施工・建主に振り分ける事が多い。
F玉串奉奠(たまぐしほうてん)
神前に玉串を奉り拝礼する。玉串とは、榊に紙垂を付けたもの。
G撤饌(てっせん)
酒と水の蓋を閉じお供え物を下げる。
H昇神(しょうしん)
神籬に降りていた神をもとの御座所に送る儀式。
I直会(なおらい)
地鎮祭の式次第が終了したら直会を行う。
当地でお神酒で乾杯し、お供え物の御下がりを食する。
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地鎮祭のお供え物 |
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施主(建築主)が用意するお供え物
@米(一合) A清酒(一升) B水(一合) C魚(鯛又は鰹節・するめ・昆布等)
D野菜(大根・人参・蓮根・菜物等) E果物(季節のもの) F紙コップまたは湯のみ(人数分)
施工者(建設会社)が用意する物
@笹竹(4本) A注連縄砂(バケツ3杯程度) Bスコップ (又は鎌・鍬・鋤) Cテント・イス
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地鎮祭の費用 |
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玉串料とは
地鎮祭を執り行ってくださった方神社の神主などへのお礼のこと。
玉串とは、榊(サカキ)など常緑樹の小枝に紙の幣、あるいは木綿をつけ神前に供えるもの。
神霊の依ってくるものと考えられている。
幣や木綿は神前にささげるためもので罪・けがれを払うため神前に供える。
費用の相場
一般的な玉串料は、「1万〜3万円」が相場
お供え物を神主が用意してくださった場合は5万円ほど。
また、棟梁や工事関係者には「御祝儀」を渡す。
御祝儀の相場は地域によっても異なるため、棟梁に相談して包む方が良策。
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参考:地鎮祭で読まれる祝詞 |
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上棟式(じょうとうしき) |
上棟式とは |
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日本で建物の新築の際に行われる神道の祭祀である。
棟上げ(むねあげ)、建前(たてまえ)、建舞(たてまい)ともいう。
なお仏教でも上棟式は行われる。
竣工後も建物が無事であるよう願って行われるもので、通常、柱・棟・梁などの基本構造が完成して棟木を上げるときに行われる。
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上棟式の流れ |
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式の方法や次第には神社の祭祀のような規定はなく、地域による差異もある。
屋上に祭壇を設けそこで祭祀を行うものや、祭壇のみ屋上に設けて祭祀は地上で行うもの、祭壇も祭祀も地上のものの区別もある。
神社本庁では「諸祭式要鋼」で上棟式の基準を示している。
それによれば、祭神は屋船久久遅命(やふねくくのちのみこと)、屋船豊宇気姫命(やふねとようけひめのみこと)、手置帆負命(たおきほおいのみこと)、彦狭知命(ひこさしりのみこと)および当地の産土神である。
まず、他の祭祀と同様に修祓・降神・献饌・祝詞奏上が行われる。
次に、上棟式特有の儀礼として、曳綱の儀(棟木を曳き上げる)、槌打の儀(棟木を棟に打ちつける)、
散餅銭の儀(餅や銭貨を撒く)が行われる。
最後に、他の祭祀と同様に拝礼・撤饌・昇神・直会(なおらい)が行われる。
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参考資料 |
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(有)アダック:社内資料 「大工至宝」薄衣八百蔵著 ウキペディア:「地鎮祭」、「上棟式」
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